日本の窓の語源は「間戸」だった。
身近な窓という字は、私たち先祖が洞窟に住んでたころに、光を取り入れる為に開けた孔(穴)が窓の第一歩だそうです。
日本の伝統的な建築様式の梁と柱を組み合わせる建物では、壁に孔を開けるというより柱と柱を塞ぐ発想が基本でした。
“間戸”が窓の語源と言われております。
兼好法師は「徒然草」の中で、「家は夏を旨とすべし」と記載しているように、日本の夏の蒸し暑さを克服するため、軒を深くとったり、窓は通しの良さを重視してつくられていた為、まさしく窓の語源のように、南も北も間口一杯窓を設けていました。
その当時の家は、暖房ではなく、採暖でした。寒ければどんぶくを着る。暖を採る時は囲炉裏やコタツに集まる。
その後新建材の普及に伴い、土壁からクロス壁になり、壁の中には断熱材を入れるようになりましたが、まだまだ家の中を保温出来るくらいの断熱材は入っていませんでした。
家電メーカーの、暖房器具ばかりが先行して、家の断熱が後回しになりました。
窓を改修することが最大のエコだった。
そこで何が起きたのでしょうか・・・。
窓には結露がおきました。そして、家の中で窓から逃げる熱は60%になりました。
暖房の温度をいくら高く設定しても、熱は天井にばかりこもり、床が冷たいので暖まった気がしません。コールドドラフト現象が起きてました。
コールドドラフト現象とは、暖まった空気が、冷たい窓に引っ張られ床に向かって対流が起きる現象のことを言います。
これが足元が冷たい原因でした。
①室内温度が22℃、②室外気温が-0.49℃(米沢の冬の平均気温)の場合、④アルミサッシ(単板3㎜)の場合、ガラスの中央部の温度は1.6℃なります。
まさしく暖房機をガンガン焚いて、冷蔵庫を開けっ放しにしているようなものなのです。当然ガラスの表面は結露でダラダラです。
では、次は結露のメカニズムです。
①室内温度が22℃で、相対湿度が55%の場合は、露点温度は12.6 ℃になります。
露点温度とは、結露が始まる温度を言います。例えば、眼鏡を掛けている人が、暖かい家の中に入った場合、眼鏡が曇ります。
これは眼鏡が露点温度の12.6℃を下回ったからと言えます。また。コップに冷たいビールを注いだ場合に、コップに水滴が付くのはコップ自体はもともと12.6℃以上あったのですが、ビールを注ぐことによって、露点温度の12.6℃を下回ったのが原因と言えます。
これで、理解出来たと思いますが、窓の結露を止めるには露点温度の12.6℃以上に保っていれば結露が起こらないという事です。
それでは、⑤のプラマードU(LOW-E仕様)を比べて見ますと、窓の中央の温度は18℃になっていますので、結露は起こりません。
また、ガラスの温度が、室内温度に近づいてきたので、先ほど説明しました、やっかいなコールドドラフト現象も和らぎ、窓辺のひえひえ感もだいぶ感じなくなります。
寒い冬を快適に暮らすには、窓の断熱が必須である事が理解出来たと思います。
WIND(風)+ OW(のぞく)=WINDOW
ちなみに窓は英語表記で「WINDOW」と書きます。これは「wind(風)」と「ow(のぞく)」がもとになっています。
農耕民族の日本と異なり、西欧では狩猟民族であるが故に、外敵から身を守るといった意味合いが窓にはあるみたいです。
語源を辿ると、何気に使われている「窓」も「ウィンドウ」もそれぞれ意味深いものがありました。